お通夜をする少し意外な理由とは
2019年03月29日
仏教ではお通夜という儀式があり、遺族や親類、ごく近しい友人が夜通し故人の枕元で過ごします。すぐに告別式を行うのに、なぜこんな儀式があるのかと理由を不思議に感じる人も多いことでしょう。これは昔からあった儀式で、故人の臨終を間違いなく確認するためと言われています。
昔は医療もそれほど確実ではなく、本当に亡くなっているかはっきり断言できなかったそうです。もし息を吹き返した時にしかるべき対応ができるよう、昔は家族が周りで見張っていました。実際に息を吹き返した例もあったそうです。
ただ、今は臨終の確認はかなり正確にできるので、生き返る可能性はほぼありません。また、お通夜自体が、故人を生き返らせるために行う儀式だったという説もあります。さらに、理由はもっと昔に遡り、お釈迦様の臨終の際に弟子を集めたことを真似した儀式だという考え方もあります。しかし現代のお通夜の意義は、故人に近しいものたちが集まって故人の思い出を語り合うことにあると言えるでしょう。また、気を落としている遺族と一緒に故人を見守ることで助けてあげるという意味合いもあります。由来にとらわれず、見送る者たちが悔いなく、スッキリとした気分で送るために行いましょう。